「パークゴルフのボールが上がらない…」
「上げボールの打ち方を教えてほしい」
「上げ球が打てるようになってスコアアップを目指したい」
と考えている方に向けて、本記事では『パークゴルフの上げ打ち、上げ球の打ち方』について徹底解説します。
パークゴルフを楽しむにあたり上げ打ちは必ずしも必修科目ではありませんが、
- ラフの上をショートカットできる
- フェアウェイの凹凸の影響を受けたくない
- 池の上を越えていきたい
など、コースマネジメントの選択肢を増やすためには、使いどころの多い実に便利なショット技術でもあります。
とはいえ、ロフト角のないパークゴルフのクラブで上げ打ちをするには、構え方(スタンス)、スイング軌道、振り方でそれぞれ押さえるべきポイントがいくつかあります。
コツさえ掴むことができれば、ロブショットにも応用できますよ。
この記事では上げ玉、上げ打ちの具体的な打ち方を画像付きで詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしていただき習得のきっかけにして頂ければ幸いですm(__)m
上げ打ち、上げ球とは?

パークゴルフにおける「上げ打ち、上げ球」とは、ボールを高く浮かせて障害となる対象物を越えていく打法のことです。
障害物とは、例えば、
- 深いラフ
- バンカー
- 植栽や植木
- 池や川
- コース上の凹凸
などがあり、転がし打ちでは2~3打で遠回りしなければならないコースでも、上げ球なら積極的に直接ピン方向を狙えるという強いアドバンテージを得ることができます。
パークゴルフでは通常のスイングすれば転がし球になるのが一般的ですが、球を高く上げて打つためには「フェースを上向きに開いた状態でインパクトする」ことが重要です。
パークゴルフで上げ球が打てない人の特徴
練習場や実際のコースでレッスンをする機会も少なくないのですが、私が見てきた限り「パークゴルフで上げ球が打てない人」には、以下の3つの特徴があると感じています。
- インパクトの瞬間、体重が左足に乗りすぎている
- ボールが両足の中央寄りに置かれている
- スタンスが目標方向に対して平行になっている※
「上記の特徴に当てはまる=必ず上げ球が打てない」というわけではありませんが、この3つの特徴はいずれも「球が上がりにくくなる基本要因」であることは押さえておくべきです。
※③の「スタンスが目標方向に対して平行」について
このパターンでも上げ球を打つことは可能ですが、一般的には「ライナーショット」に近い上げ球になってしまいます。より高さを追求した上げ打ちをするには、これから解説する方法をご参照くださいm(__)m

[参考]パークゴルフ|ライナー打ちの方法【遠くに飛ばすショットを解説】
パークゴルフ|上げ打ち、上げ球の打ち方
では、本章からは具体的な上げ球の打ち方について解説していきます。
パークゴルフで上げ打ちをするためには、以下の「3つのポイント」が重要です。
- オープンスタンス+右足体重
- ボールは左足のつま先の延長線上
- スイングはアウトサイドイン
上記3点を正しく再現できれば、基本的にはどのように振ったとしても必ずボールは上がります。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
※本記事では右利き用に書いてますので、左利きの方は左右置き換えながらお読みくださいm(__)m
①オープンスタンス+右足体重
パークゴルフでは、目標方向に向かってスクエア(平行)にスタンスするのが一般的です。
一方で、上げ球を打つ場合に関しては「スタンスはオープンに構える」ことが必要条件となり、(一定程度までは)スタンスを開けば開くほど、より高い球が打てるようになります。
クラブが手元にあればぜひ自宅でも試してみてください。
画像のようにフェースは目標方向へ向けたまま、スタンスだけを開いてみましょう。すると、フェースが自然と「上向き」になっているのが分かると思います。
つまり、オープンスタンスにすることで、自然と上げ打ちの構えの形ができるというわけです。
さらに、オープンスタンスができたあとは、以下の2点も意識してみましょう。
- 体重を右足側に置く
比率で言うと、右足に6、左足に4程度が初めはバランスが取りやすいです。 - 頭をやや右側に傾ける
これはスウェー防止に有効なポイントです。スウェーとは、インパクトの瞬間に「左足へ体重が流れ過ぎてしまう」現象のことを指し、ゴルフスポーツでは万病の元とされるほど悪いスイングの典型です。
こうした点を意識することで、必要以上の体重移動を抑え、より上げ打ちしやすいアドレスをキープしやすくなります。
右足体重は、上げ球の成功確率やミート率が飛躍的に上がるコツなので、初級者の方は初期段階から忘れずに必ず習慣化してください。
※左足体重がダメな理由
ついでなので、上げ打ちにおいて「左足体重」がダメな理由についても触れておきます。
クラブを持ちながら読んで頂いている方はそのまま実践して欲しいのですが、オープンスタンスで構えた状態から、一度「大きく」左足に体重を乗せてみてください。(体ごと左に持って行っちゃってOKです)
すると、上向きだったフェースの角度が思いっきり閉じてきませんか?これがスウェーであり、左足体重は球が上がりにくくなる原因であることが直感的に理解できるかなと思いますm(__)m
②ボールは左足つま先の延長線
上げ球をマスターするためには、ボールの置き場所1つにも細心の注意を払いましょう。
通常のスイングでは開いた両足の中央寄り(内側)に球を置く人もいますが、低く転がしたい場面では問題ないものの、上げ打ちしたい局面ではミスショットを誘発する原因になります。
よって、オープンスタンスに構える際フェースは目標方向に向けたまま、思い切ってボールを左足つま先の延長線上に設置しましょう。
※「左足つま先」を開いてアドレスする人は左足かかとの延長線上に球を設置すればOK
最初はボールがかなり左側にあるように見えてしまい「違和感」を感じると思いますが、左側にあることで、よりヘッドが上向きの状態で「アッパー軌道」でのインパクトが可能となります。
また、上げ球を打てる人を観察していると、ほとんどの方がこのスタイルです。最初は不安だと思いますが、まずは諸先輩に倣って「左足つま先の延長線上」にボールを置くことを必ず意識してください。
なお、普段から体重移動を抑えたスイングをしている方、もしくは上記の通りに練習すると「トップ気味」にフェースが入ってしまう人は、状況を見ながら少しずつ球を内側へ調整するのもアリです。
その際、ボールの置き位置を一気に中央寄りに変えるのではなく、つま先の延長線上ラインから「1cm単位」で徐々に微調整してください。
③スイングはアウトサイドイン
「アウトサイドイン」とはスイング軌道のことを表していますが、具体的には、
- テイクバックを外側に引く
- フォロースルーを内側に振り抜く
こうしたスイング動作のことを「アウトサイドイン」と言います。(ゴルフでは“カットスイング”ともいわれます)
難しく感じる人もいるかもしれませんが、通常はオープンスタンスで構えるだけで自然とアウトサイドインのカット軌道になります。
オープンに構えると、感覚的に球が左へ飛んでしまいそうな気がしますが、アドレスの時点でフェースが正しく目標方向を向いていればボールはきちんとまっすぐ飛びます。
ここで怖がってしまいフォロースルーを「目標方向と平行」に振り抜いてしまうと、途端に体の伸び上がりとともにフェースが右を向き、結果として「強烈なプッシュアウト」が発生するため注意が必要です。

[参考] パークゴルフ|右に球が飛ぶプッシュアウトの直し方【右フケ球が出る原因】
一度体の伸び上がり癖がつくと簡単には治らなくなりますので、フォロースルーは初めからしっかりと左側へ振り抜くことを意識してください。
ここで1つ注意点ですが、最初のうちはアウト側へテイクバックすることに違和感を感じてしまい、目標方向と平行にクラブを引き上げてしまう、いわば「十勝打ち」のようなテイクバックをする人がいます。
確かにそれでも上げることは可能ですが、十勝打ちは肝心のヘッドスピードが抑制され「飛距離とトレードオフ」する特徴があるため、飛距離の出る上げ球・より高い上げ打ちができないのがデメリットです。
また、十勝打ちスタイルというのは、目標方向と「平行に上げて平行に振り抜く」という正確性に特化した打ち方であり、そもそも上げ打ちとは次元の違う打法です。さらに、無理に左側へ振り抜くと、今度は強烈な引っかけを誘発するリスクがあるため上げ打ちには向きません。
- 思ったほどボールが上がらない
- 上げると飛距離が落ちる
- 引っ掛けて左へ飛んでしまうことが多い
という人は、今一度「アウトサイドイン」を意識した正しいスイング軌道になっているかカメラで動画を撮影してみる、あるいは誰かにチェックしてもらうことをおすすめします。
「十勝打ち」は方向性に優れ、狙った場所に球を運びやすいショートホール向きの打法です。20~40m台の短いコースやロングホールのセカンドショットなど、飛距離よりも方向性を重視したい局面にはとても有効な技術です。
アドレスを構える手順
上げ球の打ち方が分かったとしても、アドレスの際に毎回ボールの置き場所や立ち位置が微妙に変わってしまうのはやはり良くありません。
それだと、狙った方向に飛ぶかどうかは運の要素が強くなってしまい、いつまでもコースで実用可能な上げ球を習得することはできません。
できるだけアドレス毎の誤差を最小限に抑えられるよう、アドレスを組む流れは一律に統一(ルーティン化)しておくことが望ましいです。
最初のうちはその時の感覚で球にフェースを合わせるのではなく、このような手順でアドレスを組む練習をしておくのがおすすめです。
- 両足を揃えてボールとの適切な位置に立つ
- 目標方向と平行にスタンスを取る
- ボールを中心に反時計回りに立ち位置を微調整

ボールと足との距離は一人一人のスイングフォームや体格によって異なります。
基本的には自然に腰を曲げて両手をダラっと落とし、その位置でグリッピングした際に来るヘッドの位置が正しいボールとの距離の測り方です。

続いて肩幅と同程度に右足を開き、通常のショットの形を作ります。

通常の構えが完成した後は、ボールを軸に反時計回りに回り込んでスタンスをオープンにし、フェースが確実に上向きになるのを確認します。
オープンスタンスにする際も、あくまで左足つま先はボールを指したまま移動するのがポイントです
構えさえ出来ていれば、あとは右足体重&アウトサイドインのスイング軌道を意識するだけです。
こうしたコツが理解できると、早い人なら当日中に上げ球が打ててしまう人もいます。
最初はうまくいかなくても諦めずに練習を続ければ、いずれスカッと爽快な上げ球をコースで披露できますよ。
【参考】上げ打ちを1分動画で振り返る
6~7割の力でかなり脱力気味にスイングしていますが、それでもしっかりと球が上がっていますよね。
“上げるだけ”なら、ぶっちゃけ誰でも必ずできるようになります。
問題はコースで実用可能なレベルまで習熟できるかどうかですよね。自在に操れるようになるには何度も繰り返し反復練習することが超大事です。
札幌近郊で上げ球の練習ができるおすすめスポット
・札幌パークランド(北広島市)←おすすめ!
・山の手ゴルフセンター パークゴルフ練習場(札幌市中央区)
・エーゼット(札幌市北区)
女子に上げ球を教えてみた
今までコロコロ球しか打てなかった身長155cmの非力女子でも、コツさえわかればこの程度の上げ球はすぐに打てるようになります↓
動画のとおり、アドレスの組み方を毎回しっかりルーティン化していて、これは模範的でとても素晴らしいですね!
練習場だと連続でポンポン打っちゃう人が多いですが、コースでは打ち直し不可の一発本番勝負。実際のコースをしっかりイメージして練習することが上達の近道でもあります。
上げ球の基礎は一にも二にもアドレスです。
足し算の知識がなければ掛け算できないのと話は同じで、正しくアドレスすることは、上げ球を打つには何より重要であると断言できます。
初めは球が左右にブレても無視してOK。まずは「力がなくても球は上げられる」という感覚を身につけることがモチベーション維持にもつながりますよ。
上げ球|コース実践編動画
先日、札幌市東区の「王子パークゴルフコース」をラウンドした際に上げ球を使った場面集です。
上げ球が使えるとどのような攻め方ができるようになるのか、参考までにご覧いただければと思います。
動画のとおり、極端に高く打ち上げなくても十分攻略できます。
さらに高い上げ球を練習するのも良いですが、コントロール性が悪く、周囲に危険が及ぶ可能性のある「度を過ぎた上げ球はあえて使わない」という選択が賢いコースマネジメントともいえるでしょう。
上げ打ち、上げ球を打つコツまとめ
今回の記事ではパークゴルフの1つの醍醐味である「上げ打ち、上げ球の打ち方やコツ」についてご紹介しました。
もう一度上げ球の打ち方、構えるステップについて内容をおさらいしておきます。
- 両足を揃えてボールとの適切な位置に立つ
- 目標方向と平行にスタンス
- ボールを軸に反時計回りに立ち位置を微調整
- ボールは左足つま先の延長線上に
- オープンスタンス+右足体重を意識
- アウトサイドインのスイング軌道
という方は、実際に上げ球が打てる第三者にスイングを確認してもらってみてください。
球が上がらないのには必ず原因があります。
思うように上がらない時は他人にスイングを見てもらうことで、自分では出来ているつもりでも不十分だった部分がきっと見つかると思います。
自分のスイングを見てもらえる人がいないという場合は、庭などで窓に映る自分の姿をチェックしつつ素振りしたり、スイングを形作る方法もおすすめです。
近場に打ちっぱなし場や練習場があるという人であれば、誰かにスイングを撮影してもらったり、三脚を立てて自撮りするのも自分のフォームを客観視できて大変有意義です。
自分の映像を見てると失敗するパターンが見えてきますし、「次はこうしてみたらどうか?」というアイディアが湧くんです(^^)
上げ打ちをマスターすれば、今よりももっとパークゴルフが楽しくなりますよ。
ぜひ何度も練習して上げ球を使いこなせる達人になりましょう!





はじめまして。パーク歴5年の中級者です。興味深く拝見させていただきました。
ロブショットの打ち方で、グリップについて一つ質問させてください。(右利きで)
オープンに構えた状態でフェイスを真っ直ぐ向けるためには、グリップはそのままで手首を右に回すのか、シャフトを右に回してグリップの握りを変えるのか、どちらが正しいですか?
ドドンパさん、はじめまして。
いつもブログをご覧いただき大変恐縮です。
ご質問のグリップの件ですが、フェースを開いてからグリップを握り直したり、あるいは手首を回して帳尻合わせをするのではなく、右ひじの内側を正面に回すようにして構えています。
右ひじ内側を正面にして構えるとフェースが自然と開くだけでなく、右ひじを胸(脇)の前で固定しながらテイクバックしやすくなるのがお分かりいただけるかと思います。
また、右ひじのブレを抑えられれば、ラウンド中盤の疲労が溜まった際にもスイング軌道を一定を保ちやすくなるので、ミスショットを減らし、いつも自然な円弧運動を描けるというメリットもあります。
何が正しいかは人によって見解が分かれるところかなと思いますが、1つのアイディアとして参考にしていただければ幸いです。