パークゴルフは北海道幕別町で誕生した、子供から高齢者まで一緒に楽しめる『三世代コミュニティスポーツ』です。
パークゴルフのもとになったのは「グラウンドゴルフ」という競技です。
グラウンドゴルフとは、乾いた土の上でスティック(クラブ)とボールを使って楽しむ競技ですが、ゴルフのように強く打つことができず、またボールが転がり過ぎてしまう特徴があります。
そこで運動公園の芝生に穴を掘り、距離を伸ばして、よりゴルフのように爽快に打てるよう改良されたのがパークゴルフです。
とはいえ、「パークゴルフに興味はあるけど、何から始めて良いのかわからない」という方も多いと思います。
そこで本記事では、
- パークゴルフとはどんなスポーツなのか
- パークゴルフに必要な道具
- 始め方やコースの周り方、ルール
について初心者にもわかりやすく解説しますので、パークゴルフに関心があるという方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
パークゴルフとはどのような競技?
パークゴルフとは、一本のクラブとボールを使って、少ない打数でカップインを目指すというシンプルなスポーツ競技です。
「ゴルフの劣化版でしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、実際にプレイしてみると、ボールをまっすぐ打てなかったり地形の凹凸に左右されたりと、思ったよりも難しいことがすぐに理解できるでしょう。
しかしそれが面白さであり、自分なりに試行錯誤を重ねたり、仲間とともに切磋琢磨する過程こそがパークゴルフの大きな醍醐味といえます。
また、パークゴルフは『生涯スポーツ』ともいわれ、2024年現在においても「健康増進」を目的にはじめる人が増加傾向にあります。
- 子どもから高齢者まで日常的に楽しめる
- 精神的・身体的充足感を得られる
- 達成感を味わえる
このように性別・ライフステージを問わず楽しく運動でき、日常生活では味わえない高揚感を得られるスポーツがパークゴルフです。
“パークゴルフに関するアンケート調査報告書”によると、5年以上続けている人は全体の77.2%というデータも発表されており、パークゴルフを長年楽しんでいる人たちがいかに多いかがわかるでしょう。
≫平成29年9月 公益社団法人 日本パークゴルフ協会「パークゴルフに関するアンケート調査報告書」
また、パークゴルフを日常的に楽しむことは医療費を抑える可能性も期待できます。
1度のプレイで
- 1時間~2時間遊ぶという人が43.9%
- 3時間~4時間という人も21.1%
というデータ(出典同上)があり、歩数換算でなんと1万歩を優に超えてしまう運動量に値します。
「今よりもっと健康な体を手に入れたい」と考えている方には、自然のなかで運動不足が解消できるパークゴルフは健康な体作りにうってつけです。
パークゴルフの年齢層は?
平成29年に実施されたパークゴルフに関するアンケート調査報告書によると、パークゴルフの年齢層の割合は以下の通りになりました。
- 39歳以下:0.6%
- 40~49歳:1.1%
- 50~59歳:3.0%
- 60~69歳:34.8%
- 70~79歳:55.2%
- 80歳以上:5.3%
※パークゴルフに関するアンケート調査(公益社団法人 日本パークゴルフ協会)
これらの分析結果から、パークゴルフが高齢者に特に支持されていることは明らかで、60歳以上の高齢者の割合が非常に高く、合計すると全体の95.3%を占めていることになります。
一方、59歳以下の若年層は全体のわずか4.7%となっており、これはパークゴルフが若い世代にほとんど知られていないか、あるいは興味を引く要素(機会)が少ないという可能性を表しています。
このような観点から、現状ではパークゴルフは高齢者ほど高く認知され、長く続けられる健康スポーツの役割を果たしていることが伺えます。
ただし、スポーツとしての普及や発展を考える際には、若年層にも魅力的に映るような取り組みや、ファミリー層向けのマーケティングプロモーションが業界全体でまだまだ不足していると言わざるを得ません。
パークゴルフとゴルフの違いは何?
パークゴルフとゴルフは似ている点も多いですが、以下の点において明確な違いがあります。
- コースの大きさ
- 使用するクラブ
- ボールのサイズ
- 競技性の違い
- 親しみやすさ
①コースの大きさ
パークゴルフは通常1コース9ホール×4(計36ホール)で構成され、最長100mという比較的短いコースが多く、1コースあたりの平均は40~45m程度です。
一方、通常のゴルフは1コース18ホールが標準で、各ホールの距離もパークゴルフの約3倍~5倍程度の長さがあります。
ゴルフの各ホールの距離が長いのは、ゴルフがより洗練されたテクニックや戦略的思考、さらに身体的な能力を試す総合的なスポーツであるためです。
②使用するクラブ
パークゴルフでは、協会が定めるクラブ「1本のみ」を使用してプレイします。
このクラブはパークゴルフ専用に設計・認定されており、ゴルフのように複数のクラブを使い分ける必要はありません。
- 重量:600g以下
- 長さ:860mm以下
- ヘッド:木製
- シャフト:木質、グラスファイバー、カーボンファイバー、アルミニウム合金
- グリップ:木質、レザー、ゴム
一方、ゴルフではドライバーやアイアン、パターなど複数のクラブを状況に応じて使い分けます。
ゴルフコースは様々な距離と障害物が配置されているため、それぞれのショットで最適なクラブを選択する必要があります。
③ボールのサイズ
パークゴルフのボールはゴルフボールよりも大きく、色やデザインも様々です。また、重さもゴルフボールより重いです。
- 直径60mm
- 80~95g以下
- 合成樹脂
- 音圧80dB以上
一方、ゴルフボールはパークゴルフのボールよりも軽量かつ小型であり、一般的に白色が多いです。
④競技性の違い
パークゴルフもゴルフも少ない打数でカップに入れることが最終目的ですが、パークゴルフはカジュアルで社交スポーツの側面が強く、年齢問わず誰でもより気軽に楽しめるのが特徴です。
対してゴルフはもっと競技性が強く、高い戦略理解や技術レベルがより重要になります。
⑤親しみやすさ
パークゴルフは比較的簡単に始められるスポーツであり、子供から高齢者まで幅広い年齢層に適しています。
装備もシンプルで、コースも市民公園など身近な場所に設けられていることが多いです。
一方、ゴルフは金銭的に高価なスポーツであり、郊外のゴルフ場まで行く必要があったり、基本的な装備や道具などもひと通り揃える必要があります。
パークゴルフとゲートボールの違いは何?
パークゴルフとゲートボールは、どちらも屋外で楽しむことができるスポーツですが、
- プレイのスタイル
- ルール
- 使用する道具
などに大きな違いがあります。
パークゴルフはゴルフに似たスポーツで、専用のクラブとボールを使用し、コース上のカップを目指してボールを打ちます。
プレイの最終目的は、できるだけ少ない打数でボールを穴に入れることです。コースは自然の地形を活かした設計になっていることが多く、一般に18~36ホール程度で構成されています。
一方、ゲートボールはチームで行う競技で、特に高齢者の間で人気があります。
ゲームの目的は、自分のボールをコート上の指定されたゲート(小さなアーチ)を通過させると1点、ゴールポールにタッチさせると2点が入ります。
ゲートボールはチームプレイを重視しており、10人のプレイヤーが2チームに分かれて5:5の団体戦で戦います。
つまり、パークゴルフはゴルフに似た個人競技で、自然を楽しみながら技術を競うスポーツである一方、ゲートボールはチームで戦略を練りながら競うゲームであり、コミュニケーションや互いの協力が必要になります。
どちらもプレイヤーに求められる技術や戦略、楽しみ方が異なることから、それぞれ独自の魅力や楽しみを持っています。
パークゴルフに必要な道具をそろえよう
コースでも道具の貸し出しを行っていることが多いですが、これから自分専用のパークゴルフ用品を手に入れようと考えている方は以下の3つを揃えましょう。
- クラブ
- ボール
- ティー
クラブは重さが600g以下、長さ860mm以下と規定されています。
初心者はどのクラブが良いのか迷ってしまいますが、とりあえずボールやティーが付いてくる初心者セット(1万円程度)を選んでおけばOKです。
最初から数万円もする高価なクラブに手を出す必要はないですし、道具にこだわるのは慣れてきてからでも遅くはありません。
他にも帽子やグローブ、ポーチなど揃えておくと便利な道具やパークゴルフに適した服装もありますが、気になる方はこちらの2記事を読むとザっと把握できるかと思います。
パークゴルフのやり方はとても簡単
パークゴルフのやり方はとてもシンプルです。
1打目からカップインするまでの打数を競い、18ホール~36ホールの合計打数で勝敗を決めます。
大きな流れとしては、
- ティーグラウンドからの1打目
- ボールが止まった位置から2打目、3打目と続き・・・
- ボールがカップに入れば終了
このように大まかなコースの周り方は誰でも簡単に理解できると思います。
パークゴルフは何人で回るの?
パークゴルフでは1組4人まで一緒にラウンドすることができます。
4人以下であれば、3人だったり2人、もしくは1人でプレイすることも可能です。(ただし、1人でのラウンドを禁止しているコースもあるため要確認)
とはいえ、大会でなければ5人以上でラウンドするケースもあると思いますが、プレイの進行が著しく遅れてしまう恐れがあるため、出来れば1組4人以下でプレイするのが通常好ましいです。
パークゴルフの打つ順番は?
ティーショットを打つ順番は、最初の1番ホールのみ「じゃんけん」、またはスタートホールに設置されている「くじ」などで決めます。
2番ホール以降は、前ホールで最も少ない打数で周った人から順番に打つのが正式ルールです。
また、ゴルフとは違い「空振り」は打数にカウントしないことになっているので、最初は空振りは気にせず思い切ってスイングしてください!(ただし、空振りでもボールが動いた場合は1打になります)
他にも、クラブの握り方やコースの障害物など詳しく知りたいという方は以下の記事をご参照ください。
パークゴルフは何打まで打てるの?
パークゴルフは何打まで打てるといった決まりがあるわけではなく、如何に少ない打数でカップインできるかを競う競技です。
つまり、1ホール10打20打と打ってもルール上特に問題にはなりませんが、後続組の進行が遅延してしまう恐れもあるため、プレイ中はできるだけ集中して丁寧に打つことを心がけましょう。
パークゴルフの服装のマナーは?
パークゴルフでは厳密な服装に関する規定はありませんが、通常のゴルフと似たような装いを好むプレイヤーが多いように感じます。
気温が高い日は快適で動きやすいポロシャツとスラックス、靴はスニーカーがおすすめで、機能性とファッション性を兼ね備えた服装を選ぶことでプレイ中も快適に過ごせるかなと思います。
また、天候によっては帽子やサングラスを着用するのも良いでしょう。
パークゴルフの服装についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
パークゴルフ|最低限知っておくべきルール
パークゴルフを始める際、最低限知っておくべきルールは次の通りです。
- ルール① ティーグラウンドから足をはみ出さない
- ルール② ボールを無断で拾い上げない
- ルール③ OBを理解する
ルール①ティーグラウンドから足をはみ出さない
ティーグラウンドから少しでも足をはみ出した状態でショットすることはペナルティになります。
ペナルティとはルール違反のことで、ペナルティ1回につき2打が加算されます。(2打罰)
また、ティーグラウンド脇にある二つの丸よりも前にボールを置いたり、足をはみ出して打つのもペナルティとなるので注意しましょう。
ルール②ボールを無断で拾い上げない
同行者への断りなく無断でボールを拾い上げる行為も同じくペナルティ(2打罰)となります。
気になる汚れがある場合やボールが割れてしまった時などは、必ず同行者の了承を得た上でマーカーを置いてピックアップし、対処が終わり次第すみやかに元の位置へ戻しましょう。
ルール③OBを理解する
OBとはアウト・オブ・バウンズの略で、コース内に挿された白杭を目印に判断します。
2本の白杭を結んだ線上にボールがかかっていればセーフですが、完全にかかっていなければOBとなりペナルティ(2打罰)です。
OBになってしまった場合は、
- クラブ2本分の長さ以内の場所へ
- カップに近づかない位置に
ボールを置いてプレイを再開しましょう。
パークゴルフのマナーについて
パークゴルフを始めたての頃は、ある意味ルールよりもマナーをしっかり押さえておくことが重要です。
これから始めようと考えている方は、以下のマナーについて知っておきましょう。
- マナー① 周りの安全確認は第一
- マナー② 後ろの組にホールアウトの合図を送る
- マナー③ 同行者のプレイ中は静かに
- 【その他】予備のボールを持っておく
マナー①周りの安全確認は第一
パークゴルフを楽しむにはとにかく安全確認と、他人に迷惑をかけないことが第一です。
そのため、心がけておきたいポイントが以下の3つになります。
- ティーショットは前の組が完全にホールアウトしてから行う
- 隣のホールの状況(人の動き)も確認しておく
- これからショットする同行者の前に立たない(近くを歩かない)
ボールはとても固く重さもあることから、万が一人に当たってしまうと大けがにつながる可能性があります。
ショットする前に必ず周囲の安全確認をおこない、危険がないかしっかりと事前点検しましょう。
マナー②後ろの組にホールアウトの合図を送る
プレイが続く中でたまに前後の組が詰まってしまい、自分たちがプレイ中、後続の人たちがティーグラウンドで待たされる場面が出てきます。
そのような場合は
- 「お待たせしました」
- 「どうぞ」
という意思表示として、ホールアウト後に手を上げて合図を送りましょう。
また、カップにボールが入ったらすぐにスコアを記入したくなりますが、後続の組を長時間待たせることがないようカップイン後はすぐにグリーンから離れ、次のホールのスタート台付近でスコアを記入するようにしてください。
マナー③同行者のプレイ中は静かに
同行者がショットの態勢に入ったら、周りの人たちは目に入る位置で歩いたり、話しかけたりするのはマナー違反です。
グリーン上でのパット時など止むを得ず視界に入ってしまう場合は、その場で動くのを止め、打ち終わるまで静かに見守るようにしましょう。
また、ラウンド中にやたらとアドバイスしたがる人がいますが、基本的に無用なアドバイスはおせっかいでしかありません。
パークゴルフをみんなが気持ちよく楽しめるように、アドバイスは求められた時にのみしてあげるようにしましょう。
その他:予備のボールを持っておく
初心者のうちは、予期せぬ方向へボールが飛んでしまったり、池や茂みの中に打ち込んでしまったりとボールを失くしてしまうケースが多々あります。
プレイ中に手持ちのボールが不足してしまわないよう、ボールは最低でも2つ持っておくのが安心です。
パークゴルフとはどのような競技?まとめ
というわけで、今回はパークゴルフとはどのような競技なのか、始め方やルールについて解説しました。
パークゴルフは性別・世代問わず、誰でも手軽に楽しめるスポーツであり、シンプルではあるもののとても奥が深く、また自然の中を歩くことでリフレッシュすることもでき、新しい仲間が作りやすいのも大きなメリットです。
これほど取り組みやすく利点の多い趣味スポーツは、パークゴルフを除いてそう多くはないと思います。
基本的なルールもとても簡単で、明日からすぐに始められる手軽さも魅力の1つですよね。
必要な道具はコースでもレンタルできるので、パークゴルフに興味がある人はぜひ休日に家族や友人と楽しんでみて下さいね!